2018.07.26
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Excelを10%使いこなせば、あなたの生産性はこんなに上がる

まだ、使えないんですか?
吉田 拳 プロフィール

真っ先に覚えるべき4つの関数

「数字はパーセントと実数の2つを見る」の法則は、売り上げ目標を追う上でも重要です。パーセントは「予実比」、実数は「予実差」。この2つを見ます。

「予実比」とは売上予算(売上目標)に対する実績の達成率です。たとえば「予実比90%」と言う数字からは、あと10%で目標達成というところまで来ていることはわかります。ではあと10%を達成するにはどうするか。ここで、「予実差」という、目標額と現状の「実数」の差も合わせて確認することが重要です。

予実差は「予算-実績」というシンプル引き算で出せます。予算が1億円であれば、「目標まであと10%」という数字は「目標まであと1000万円」であるとわかります。

売上は「単価×件数」という式で計算できますから、あと何円の受注が何件あればいいのか…例えば単価100万円の受注があと10件で達成できるということがわかります。すると、「誰が、どこに、何を売るか」という行動計画まで立てることが可能になり、ただ「あと10%だからなんとか頑張ろう」という掛け声だけで頑張るよりは、はるかに実現可能性が高まるのです。

 

パーセントと実数の両方を見る。これが経営に役立つExcelの基本です。

私がセミナーで必ず話すのは、「Excelのスキルは会計のスキルと両輪でなければ意味がない」ということです。会計のスキルとは決算書を読むことです。Excelを使いこなして経営改善につなげるためには、決算数字を意識しておくことがとても大切です。この話は少し高度なので、後々話していきたいと思います。

今回はおまけのヒントとして、Excelを使いこなす上で重要な関数の紹介をしておきましょう。

私のExcel研修では、新入社員であろうが中堅であろうが社長であろうが、真っ先にこれを教えるというものが、次の4つの関数です。

SUM関数…売上、人件費などの各種費用の「金額合計」を出す関数です。売上という数字は「単価×件数」で計算されます。様々な単価の商品がある場合はそれぞれの単価×件数で出た小計を最後にこのSUM関数で合計して総売上が出るわけです。

COUNTA関数…「売上」を意味する数字は「金額」だけではなく「件数」があります。販売個数、受注件数、購入客数などがあります。人件費であれば全社員の給与合計はSUM関数で出せますが、それは「社員何人分」の合計かという「件数」です。このデータの件数を出すのがCOUNTA関数です。

SUMIF関数…SUM関数で出した総合計の「内訳」を出す関数です。データ分析の基本は「数字を分けて比べる」ことだと私の研修では常々申し上げていますが、例えば売上であれば「顧客別」「商品別」「地域別」「年齢別」「男女別」「支社別」など様々な切り口で数字を分解することができます。このような合計数字の内訳を出す分析に必要なのがSUMIF関数です。

COUNTIF関数…SUMIF関数が数字合計の内訳であれば、こちらは件数の内訳を出す関数です。

この4つの関数をきちんと使えれば、業務にまつわる様々な数字を必ず「合計」「件数」「合計内訳」「件数内訳」という4つの視点で見ることができます。それにより、会社が行っているビジネスを“分析”できるようになります。

次回から、具体的な事例を入れながら、紹介をしていきたいと思います。

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