北朝鮮非難声明、廃案へ 安保理
中国の反発で
【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会が北朝鮮による中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられる3日のミサイル発射を非難する声明案を廃案にする見通しであることが9日、わかった。安保理外交筋が明らかにした。弾頭部分が初めて日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、日本は米韓とともに強く非難すべきだと訴えてきたが、中国の反発で見送られた。
中国が北朝鮮に対する非難声明に反対する背景には、米韓が地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を韓国に配備すると決定したことがある。付随するレーダーの運用方法によっては北京周辺までカバーできることから、中国は「北朝鮮を強く非難する表現はすべきでない」と慎重論を展開し譲らなかった。
日本のEEZに落下した3日のミサイル発射の前にも、北朝鮮は7月19日に弾道ミサイルを発射している。安保理は非難声明について協議したが、中国の反発で発表には至らなかった。